父親はおよそ10年前から血管性の認知症に侵されはじめていたと思います。
始めは、運転する車の後ろに小さな傷がいくつか見られるようになり、
後に忘れ物が多くなってきました。
父が75歳を超えた頃でした。
温泉へ行って忘れ物に気付き取りに戻り、再度温泉へ行ったのに、又忘れ物に気づき家に戻る、結局温泉と自宅を3往復したという話を聞いて、ちょっとこれはおかしいぞと感じました。
父は、実弟が55歳の時に心筋梗塞で突然亡くなったのを機にたばこをやめました。
その後本人も60歳の頃に心筋梗塞で倒れました。
運よくかかりつけの病院は家に近く、当直が心臓の専門医という強運振りで、一命を取り留め、大きな後遺症も残りませんでした。
以来その担当医にお世話になっていました。
3か月に1度診察に行きました。長いときは2時間以上待ち、診察はたったの5分ほど。
薬を処方してもらうために行っているようなものでした。
父親の運転が不安になった頃から、私は、仕事を休んで同行していました。
何年もお世話になっていましたが、担当医は、父親の変化に気付きもしませんでした。
大きな病院だからでしょうか。
認知症の診察を進めてくれたのは、不眠になった母と私がお世話になった心療内科の先生でした。
認知症の分野で有名な先生だからと紹介されたのは、長らくお世話になっている父の脳外科の担当医でした。
認知症のテストを受けると、アルツハイマーの可能性があるとして、アリセプトを処方されました。
当時、アリセプトは認知症の特効薬のように言われていました。
飲み始めて2日後、父親の興奮が止まりません。
「俺を殺す気か」と鬼のような形相で言い放ち、コップに入った水は飲まず、水道の蛇口から飲みました。
明らかに父には毒だと感じ、独断で即アリセプトを中止しました。
アリセプトの処方は、当時は、最初3mグラムから始め、徐々に5mグラム、10mグラムと増量するというのが規則のようでした。つまりは、減薬すると報酬を得られないと言う恐ろしい規則。
でもそれは間違いだったのでしょう。厚労省は6月1日付で各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)の中央会と、社会保険診療報酬支払基金宛てに、規定用量に未満の投与も、一律に査定するのではなくレセプト(診療報酬明細)に記載された症例に応じて薬剤費を支払うよう求める事務連絡を出す。
となったそうです。気付くの遅いですわ・・・。アリセプトって本当に高い薬ですからね。製薬会社の思う壺だったんでしょうか?
ここの株はいくら儲けるとしても絶対に買いません。
今ではインターネットでいくらでも認知症の薬に関して情報がありますが、当時はあまりありませんでした。
藁をも掴む思いで、コウノメソッドの記録を読み漁ったのを記憶しています。
父親のMRIを持参して、フォレストクリニックの河野先生にも診察してもらいました。
それ以降、認知症関連の薬は拒否してきました。
アリセプトの時の鬼の形相を思い出すと、飲まない方が絶対にましだと考えたからです。
恐らく沢山の患者が、父と同じような状況に陥った事でしょう。
暫くして、脳外科の担当医にアリセプトの話をすると、「当時はその薬しかなかったわけですから」
とさらりと言われた時は怒りさえ覚えました。無責任すぎます。
今では、認知症も研究が進み、処方される薬の方向性が大まかに決まってきてはいるものの、
認知症の周辺症状に悩まされている介護者は多く、薬の調整というのがとても大事だと感じます。
この2か月で父がお世話になった、グループホーム、訪問介護の医者など、明らかに薬に対しての知識が足りないと感じます。睡眠導入剤に関して、長らく父にはジェネリックは効かないというのが実証されている為、ずっとジェネリック禁止にしていたにも関わらず、最初のグループホームでジェネリックに変更されていました。
薬変更の確認や報告は一切無く、11月に誤嚥性肺炎で入院した時に、私が気付きました。
アリセプトで痛い目に合った私はかなり薬に敏感になっているかもしれません。
ネットには有効な生きた情報があります。
患者側が賢くならなければ、間違った選択をしてしまいます。
グループホームで、夜眠らない入居者がいるというのは、夜勤担当者にとってかなりの負担だと思います。
入居者それぞれの、周辺症状を抑える薬の処方は出来ないものでしょうか?
地方では、河野メソッドを取り入れている病院は少ないです。
薬に詳しい先生も多くないです。
だとしたら、AIを使って、MRIの情報や患者の特徴を分析して、より合った薬を処方する事が出来るのはないでしょうか?
追記:
昨年から父親のよだれが顕著になり、デイサービスの職員の方に、訪問介護の先生に相談して下さいと言われました。
先生に相談すると、老人性の物だから、治療方法は無いと言われました。(←この先生睡眠導入剤を勝手にジェネリックに変更していた女医)
その後、誤嚥性肺炎で病院に入院した際、精神科医の女医の先生が週に2回その病院に来ていました。
急性期病院に入院しているので、副作用があっても処方しなければならない薬も多少は仕方ないと思っていました。
なかなか眠らない父親にどの薬を処方するか説明してくれました。
(当然でしょうが)高齢者の薬にお詳しそうだったので、
よだれに関して相談してみると、シンメトレルという薬を処方してくれました。
2日後父親のよだれはぴたりと止まりました。
薬の情報をAIに有効に使ってもらって欲しいです。ほんと。
※父親の介護については、別に記す予定です。
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