仕事を早退して、病院に行く。
点滴だけで1週間以上も経つとすっかり衰弱してくる。
昨日はマスクをしていなかったが、今日はマスクをしていた。姿を見ただけで、
姿を見ただけで、今日食べるのは難しいと思った。
痰が凄い。固い痰が出るので、柔らかくする薬を投与するらしい。
同席をお願いしてたので、無理にゼリーを食べさせる。何人かで作業する。
父をベッドから起こして、一人の看護師が、何も言わずにいきなり父の顔についていた、酸素マスクを
取り、管に換える。当然父は顔に何かされると思って、声を荒げる。
一言言ってくださいと言う。確認すると何も言いませんから、一言確認してくださいと伝える。
カンファレンスの時に、この点も申し送りしている。
ケアマネジャーさんが、わざわざ、急に口の掃除をしたりすると怒るので、確認してくださいと言ってくれた。
他の看護師は、「○○しますよ」と確認ができているのに、この看護師だけはそんな癖がついていない。
確認すると、父は、「はい」と答え素直に口を開ける。
もう一度してもしますよと言うと、「もういい」と拒否もした。
ゼリーは、案の定。引っ掛けてしまう。痰が出てくる。
私もバカじゃないので、見れば食べられないというのはわかる。
嚥下訓練で、ゼリーを舌の上に乗せて飲み込ませようとするが、うまくいかない。
舌の上にゼリーを乗せるのが嚥下訓練の基本なのだろうけど、食べにくいはずだと思う。
試しに自分もしてみたが、舌の上に食べ物を置くとむせる。食べにくい。ゼリーも逆に飲み込みにくい。
人によって違うと思う。私は父に似てのどの器官が弱いし、未だに錠剤は飲み込めない。
小さい錠剤はいいが、大きいのは砕いて飲むしかない。
全てが、マニュアル通りなんだな、病院は。
だけど、このSTさん、ゼリーだけ持ってきていて、スプーンは持ってきておらず、
ナースステーションにあったコンビニでもらうプラスチックのものだ。
このあたりのルールこそ守ってほしいのだけど。
薄黄色のコンビニのスプーンですくう一口は、多すぎると思った。食べられない人用に使うスプーンか??
コンビニのスプーンで舌上に押し込むのも、もどうかと思ったので、せめて、量は少な目の方が・・・と注文を付けた。
2度目の入院となると、前の病院と色んな所が比較できる。
1度目に入院した病院の、父と信頼関係の出来ていたSTさん(一度目の入院の時父を救ってくれた人)に比べて、スキルが無いのは明らかだ。
このSTさんは、高齢者にあまり食べさせた事がないとすぐにわかった。
ステンレスの舌触りの良いスプーンを持って来い!と心で怒鳴った。
それから、再度、延命の事について聞かれ、延命はしないと伝えた。
兄がアメリカにいて、アメリカでは、胃ろうは治療と見なされないので、高齢者には行われないので、同じ意見だと伝えた。
頼りない担当医は、それはそうですね。日本だけですね。と申し訳なさそうに認めた。横の看護師、STは「えー、そうなんですか?」と言った様子だった。
おせっかいとは思ったけれど、ついでに、先日クロ現で放送された、外国人の健康保険についても伝えておいた。
担当医は知らない感じだった。
患者に、高齢者に寄り添ってくれる医療は無いのか?
私は、痰を取るのに鼻から口から嫌がる父に管を入れるのを見ると心が痛んだ。
父が「もういい」と言って何度も拒否をした。
話しかけても、「わからん、わからん」を繰り返す。目にはじんわり涙が浮かんでいる。
病院にいては、ダメだ。平穏死の力さえ奪われてしまう。
ちょっと前までは、食べていたのに、もう口から食べることはは出来ないといわれた。
これ以上病院で過ごさせてはいけない。本人も帰りたいと何度も訴えている。
肺炎の治療もせず、点滴もせず、看取れる方法を探すことを決めた。