御年85歳母親の唯一の趣味は、花である。
40年以上手入れをしてきた庭に咲いた季節の花を少し摘んでは、花瓶に差して玄関に飾ったり、人目に付くところに鉢を動かしたりしている。
思い出のある花も多いらしく、あれこれ説明を受ける。
亡くなったお隣さんと一緒に買いに行ったり、お裾分けしてもらった見目形の似た兄弟姉妹のお花もいくつかあるようだ。
85歳の割に、本当にマメに玄関にお花を飾っていると感心する。
綺麗に咲いているので、ホトトギスを茶花に分けて欲しいとか、お店で使いたいから、紅葉の葉っぱを分けて欲しいとお声も頂くくらい。
が、海外在住の日本人嫁・・・。
ここ数年は、なぜか母の日に日本の通販サイトからプリザーブドフラワーを贈ってくる。
年に多いときは2回、長い時は2か月程帰国しているが、玄関に生けている花や庭の花の話題をしたこともない。
母が花が好きなのも知っているのだろうか?
本当にピンクにきれいに咲いたバラを、嫁の両親に持っていったらと言っても、遠慮する(彼女の妹は持って帰ってくれた)
花には大して興味がないのはなんとなくわかる。
昔から、人に花を買って持っていくって言ってた。悪くはないだろう・・・。
要は、花に特別興味があるわけでなく、贈っている自分が好き、その自分に満足している人のようだ。いわゆる”じこまん”ってやつです。
子供も高校、大学に行けばお金もかかるし、専業主婦だし、母の日の造花にお金かけてもらいたくないというのが、母の気持ちです。
気持ちだけで十分だと。そしてなぜにこんなに家に花が溢れているのに、造花を送ってくるのかと。
プリザーブドフラワーを否定するわけではないけれど、自分の庭が大好きで、花を飾るのが生きがいの高齢者にわざわざ送る必要はありません。
”木を見て森を見ず”ですかね。
体力がなく、孫の面倒も見てあげられないと、事ある毎にお小遣いは奮発している母。
孫、嫁とそれぞれ名前を書いたポチ袋にお小遣いを入れて、感謝の気持ちを書いている姿を知っているので、
忙しいと言って、孫だけよこして、自分は来ない、渡したお小遣いのお礼も言ってこない・・・、
そのくせ、教育だ、情操教育だ、だの偉そうな事ばっかり言っている。
正直腹が立ってきますが、
そう言う私はお礼をちゃんと言えているだろうか?
人様を嫌な気持ちにさせていないだろうか?と自問する事にしています。
このコロナ禍、とにかくストレスを貯めない事、思考回路を変えてみる事にチャレンジしています。
嫁(義姉)にも、本当はプリザーブドフラワーは要らないと言いたい所だけど、母の日を思い出させてくれてありがとう・・・。
ってメッセージしなくちゃな。
人生は深い。