「自分の人間性を褒められたい」のはわかるかもしれない。

84歳の母親が認知症にならないように、とりあえず話しかけるようにはしている。

調子づくと、いつもあの話が始まる・・・
仲良し5人組の同級生の話。
良くみんなでお花見やカラオケなどして楽しんでいた。

一番早く亡くなったのはⅮ子さん。
そのD子さんが認知症になったとき、カラオケに連れて行ってあげていたA子さん。
まさかそのA子さんが認知症になるなんて・・・。車の運転を止め、ダンスを辞めやることがなくなったのよね。ご主人が早く亡くなって、綺麗な大きな家に住んでたけど寂しかったのね。
娘さんは3人いたんだけど・・・。

 

B子さんは、人の事を気にしないで文句を平気で言う人だから認知症にはならないはず。ほら吹きな所があって、A子さんはあまり信用してなかったけど。

C子さんは一番長生きするかも。一見穏やかなんだけど、私には結構色々言うのよ。A子さんの事も、お料理は以外と安いもの使ってるよねとか言ってたのよね。
私は、誰にも言わないってわかってるから、話しやすかったんだろうねぇ。私は悪口は言わないから。
こんな話も、娘(私の事)だから言えるけど。

と、自分の人間性の肯定で話は一通り終わる。

橋田壽賀子の脚本のようである。
もうかれこれこの話は何度聞いただろうか。
ちょっとずつ内容がアップデートされるが最後の結びはいつも同じ。

「お母さんは皆に信頼されてたんだねぇ」
と言ってあげたいところだが・・・。

言えない、言いたくない。

また始まった・・・とつぶやいてしまう。
日頃文句ばっかりのこの方がそんなわけないでしょ~。
今度話したら、褒めてみようかとも思うけど、やはりそれはできない。
そう考えただけで気分が悪くなる。頭がモヤモヤする。

ずーっと自宅にいる母親。外に出ても5分ぐらいで帰ってくる。
コロナの影響で私自身も出掛けられないので、ひとりの時間がなかなか作れない。
なんとかうまく脳内変換して少しでもハッピーに過ごしたい。