トーマスは、ブラインドで38歳のバイセクシュアルのガチョウ。今週旅だち、長い期間パートナーだったヘンリーの横に眠る。

これは、また別の鳥、ガチョウの話です。哀しいような、微笑ましいような、今の時代にマッチしたそんな内容です。

ブラインドでバイセクシャルなガチョウトーマスは、長年のつれの国鳥のヘンリーの隣で眠る

38歳で今週この世を飛び立ったのは、ニュージーランドで有名なバイセクシャルで異種間恋愛経験者?のガチョウのトーマス。先に他界した長年のパートナー黒鳥のヘンリーの横に埋葬される事になりました。

先日の、可哀想なナイジェルの話をニュージーランド人の友達に教えたら、彼が、翌日このストーリーを教えてくれました。
ちなみに教えてくれた彼はゲイで、20年以上パートナーと住んでいます。元々私は、そのパートナーと知り合いでしたが、
いつの間にか、とても仲良くなり、彼らそれぞれの両親の家へ遊びに行ったり、一緒に出掛けたりと、親戚の様なお付合いになりました。
現在も私にとっては、とても大切なソウルメイトです。
遠く離れている彼らとこうして繋がっていられるのは、インターネットのお蔭だと、インターネットの技術に感謝するばかりです。

まず、ガチョウの平均寿命は20-25歳、黒鳥は30-40年だそうです。40歳のトーマスはとても長生きだったんです。
オリジナルの記事は、ブラインドでゲイでと強調されていますが、眼は歳と共に白内障で見えなくなってきたので、最初からブラインドだったわけではありません
そしてバイセクシャルというのも、ヘンリーが亡くなった後、他のメスのがちょうとの間に、子供が生まれたのが、バイセクシャルと言われる所以のようです。
若干ミスリードな感じがします・・・。

ニュージーランド、aimanu Lagoon in Waikanae on the Kapiti Coast
ここでは、もともと黒鳥のヘンリーが有名で、このラグーンの彼の元に、がちょうのトーマスがやって来て、がちょうなのにトーマスは、パートナーにがちょうを選ばす、ヘンリーと言う黒鳥のもとで過ごしたのが始まりでした。

それ以来、彼らは、18年間、一緒に連れだって生活してきました。
見た目の異なる異種間の、オス2羽組。トーマスはFlamboyant(派手な、華やかな)ガチョウだったので、彼らは目立ち、ニュージーランドでは、ちょっとした有名なセレブカップルだったようです。

18年連れ添った後にちょっとした事件が起こります。
ヘンリエッタという若い黒鳥がやって来て、ヘンリーはヘンリエッタと仲良くなります。
そして当然の様に雛が生まれました。通常であれば、この出来事で、トーマスは去っていきそうなのですが、トーマスは特に気にすることもなく、引き続きヘンリーの元に居続けます。
そして更にヘンリエッタも一緒に3人で過ごすようになりました。
トーマスは、おじさん然で、雛たちの世話を喜んでしていたそうです。
(下世話にも、このあたりで、トーマスにゲイ疑惑が出てくるのでしょうが・・・。)
異種間での3人が仲良く一緒に居る様は、とても微笑ましく、訪れる人々を喜ばせました。有名なトリオになりました。切っても切れない強い絆で結ばれた永遠の3人は、最終的に68羽の雛鳥に恵まれたそうです。

が、2009年ある日突然、黒鳥のヘンリーが居なくなってしまいました。

皆彼の不在を心配していましたが、1週間後、彼は小川の柳の小枝に隠れるような姿で見つかりました。
首を自分の羽に差し込んだ状態で死んでいました。そこは、トーマスとヘンリエッタと一緒に居た場所の近くで、まるで、彼らに自分の死に早く気付いてもらいたいかのようでした。
トーマスは、実に24年という長きにわたってヘンリーと過ごした事になります。最後の6年間はトリオでしたが。

こうして、特別な永遠の3人の時代は終わりました。ヘンリーは有名だったので、多くの人が悲しみ、100人近くに人が葬儀に訪れたそうです。

ヘンリーが亡くなって、時にトーマスは泣いているような声をあげているのを係りの人が聞いています。トーマス30歳の時でした。

ヘンリーの死後、ヘンリエッタはまだ若かったので、別の鳥の元へ旅立っていきました。

しかし、トーマスは既に、平均寿命を超えている30歳だったので、ここWaikanaeに残ります。長らく親しんだトリオ不在のWaikanaeでトーマスはひとりで孤独でした。
その後、2羽のメスのガチョウが来て、トーマスの雛を宿しますが、ジョージというガチョウが現れ、彼女を彼に取られてしまいます。(この出来事がバイセクシャルと言われる所以だと・・・)

その後5年、トーマスは色々な病気に悩まされました。白内障により視力も失われ、他の白鳥からも攻撃されたトーマスは、2013年から、Ohariu Valley,へ住む場所を移します。
年老いたトーマスにとっては、リタイア出来る快適な所でした。彼の唯一の楽しみは、とうもろこしの餌を食べる事でした。目が見えなくなっても、餌が無いと、怒っている可愛いトーマスだったと、お世話をしている人が回顧しています。

ここで5年間、沢山の人々から愛情をたっぷり注がれ、穏やかに過ごしたトーマスは、先日、この世から飛び立ちました。
トーマスは、最後の5年を過ごしたこの場所から、30年以上過ごしたaimanu Lagoon in Waikanae on the Kapiti Coasに移り、四半世紀近く一緒に過ごしたヘンリーが眠っている横に埋葬されることになりました。

そこには、切っても切れない強い絆で結ばれた永遠の3人とその子供たちの家族を記念して碑を建てる計画をしているそうです。

ヘンリーと同じようにトーマスの葬儀のセレモニーにも100人以上の人が来る事でしょう。
とても特別で、愛されるキャラクターのトーマス、皆彼の姿が見られなくなるのを悲しむでしょう。

トーマス、かなりミスリードされているけど・・・、
あなたは、チャーミングで大らかな心の持ち主だったはず。
どの世界にも、アイドルのように目立った存在はいて、それ故に虐められたりもするのだけれど、トーマスの愛らしい行動に触れ、きっと皆何かを学んでいたと思う。
私も、世間に囚われず、堂々と思いのまま、行動したい。

Thomas, Rest In Peace!